子育ての悩みは、解消しない。楽しく味わうための4つの視点

子育てでイライラしてしまうのは、単に自分の不安が写り出しているから。

子供が、言うことを聞かない。

片付けや、服の着替え、生活での動作が遅い、何度も同じこと言っているのにちゃんとできない、そんなときにイライラしてしまう。

親なら誰だって、そんなことでイライラしたことがあるでしょう。

ついつい他の子供達と比べてしまうと、子供の将来を思えば焦る気持ちが出てきたりします。

子供の成長は思い通りにいかないことばかりで、自分の育て方が間違ってるんじゃないかって、不安になったりしませんか?

実は子供のことで悩んでいる親御さんは、子供に問題があるから悩んでいるんじゃないんです。

いきなり結論ですが、つまり、子供に問題は無いんです。

よくよく考えてみると、親御さんが親としてこんな自分じゃいけないと、自分を責めているから苦しいんです。

あるいは、親御さんが自分自身を可哀想に思って、困っているだけなんです。

私はこんなに一生懸命に子供を育てているのに、私に問題があるの?って怒らないでくださいね。

誰も悪くなんかありません。子供も親も一生懸命で責任を感じすぎているくらいです。

誰だって、個性があります。情報化社会で子育てのマニュアルがたくさん溢れていています。

でも人生にマニュアルなんて無いし、しかも一度しかない人生。

いきなり親になったからって、子供を完璧に育てようなんて、無理な話です。

まず、そんな自分を許してあげてください。

子育てのイライラのストレスを何かで解消することも大切かもしれませんが、そんなのは単なる回避行動であり、痛み止めを飲むようなものです。ごまかして治るわけではありません。

子供がどんなに気になる行動を取ったとしても、その子は完全です。

子供を見てイライラするのは、親であるあなたの中にある「〜でなければならないという」自分の中の暗黒面が写し出されているだけなのです。

その個性豊かで素晴らしい子供を見て、自分の思い通りにしようとするエゴを捨て去ることです。

思い通りにならないのは自分の教育方法が悪いからではないか?と自分を責めるのも幻想です。

そんなつまらないことを妄想する暇があるのなら、全力で違いを認め、受け入れ、ただただ愛することです。

そうすれば、子供も親も、今という幸せに気づくことができるのです。

控えめに自信なさそうに泣く赤ん坊なんていないですよね?

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子供って最初は何も知らないんです。つまり、あんまり情報を持っていない。

DNAの遺伝的な情報はありますよ。

でもそれ以外は、お母さんのお腹の中で成長していきながら、聞き耳を立てて聞いたから知ってる情報だけなんです。

3歳ぐらいまでに脳の80%が出来あがるそうですが、それまでに、周りで起きていることを聞いて感じて、この世界のことを覚えて情報を蓄えたんです。

たった3年と少しの間に、脳が吸収した情報でその子の人間性はほぼ決まってしまいます。

三つ子の魂、百までとはよく言ったもので、昔の人って脳科学がなくてもよくわかってたんですね。

この3年と少しの間に、周りで起きている出来事や会話がどんな内容で、どれくらいの量だったか、それぞれの家庭環境ですごく大きな開きができるわけです。

概ね6、7才でほぼ脳が完成するまでが、その子の人格を作り上げます。

まったく恐れを知らず、泣きたいときに泣き、ウンチをしたいときにする、まだまだ真っ白なキャンバスだった赤ん坊は、6〜7才までに何を学ぶか?

それは、「〜してはいけない。」などの常識と呼ばれる不可能力を学んできたということです。

もともと、赤ちゃんの頭の中には、これが善いとか悪いとかがありません。

子供が、あなたの言うことを聞かない、注意力が散漫で一つのことに集中できないとしたら、それは善悪にとらわれない可能性という最高の希望があるということなのです。

アインシュタインはこう言っています。

「どうして自分で自分を責めるんですか? 必要な時は他人がそれをやってくれるというのに」と、

小さな子供を育てる親には、

「どうして、親が子供を怒らないといけないんですか? 放っておいても自分で体験して学ぶというのに」です。

6〜7才までに、「〜してはいけない」「〜は悪い〜は善い」という常識を、どれだけ最小限に留められるかは、その子の将来に大きく影響することになります。

そんなことしてたら、社会に適合できない問題のある人間になるんじゃないのかと驚かれるかもしれませんね。

ですが実際は、その正反対です。

「〜してはならない」などたくさんの制限を受けた子供は、自分の自由が束縛されることが当たり前になり、他人の自由を見ると、それが妬ましく悪いことのように捉えがちになります。

厳しいしつけを受けた子供は、親の言うことを聞かざるをえない重圧に耐え、自分の本心を抑え込む習慣を持ち、満たされることがなくなるのです。

逆に、自分のやりたいことをやって、自分の存在を充分に承認できた子供は、他人を承認する能力が育ち、自分とは違う考えを持った周りの人間を受け入れる度量ができるのです。

 

親子関係に役割の上下はあっても、人間として対等です。

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子供があなたの思い通りにならないのを、無理やり言うことを聞かそうとすると、どうなるでしょう?

言うことを聞かされた子供は、自分の存在を認めてもらえなかったという事実を体験的に学びます。

人間が自分の欲求を伝えるのは、生命を維持するための最も基本的な行動です。

それを自分を守ってくれるはずの親が、聞き入れてくれないとするなら生きていけるかどうかの重大な問題となるでしょう。

自分の存在を否定されたかのように思うのです。

ある子供たちは、自分の要求がこの世界では通らないんだという思い込みを持ったり、自分の影響力は小さく、自分の存在価値は低いという思い込みを持つことになるのでしょう。

これに対となる子供たちがいます。

その子供たちは、否定されることに激しく反発したり、自暴自棄に自分の存在を誇示して認めさせようという方向に走ります。

この両者はやがて、引き寄せ合います。

「自分をつまらない存在」だと信じると、意識していなくとも、その思い込みに基づいて行動し、周りにそれを伝えてしまいます。

それを見た、自分を否定されて反発した子供たち、つまり「自分はつまらない存在」であってはならないという不安を抱えている子供は、激しく反応してしまうわけです。

それがイジメられっ子と、イジメっ子の関係性です。

どちらにも共通していることは、「自分をつまらない存在」だと思うことへの不安と、両親からの愛情を受け損なったということです。

確かに親子に上下関係はあります。

子供は受け取る立場、親は与える立場です。

ですが、それは役割の違いであり、人間としての存在価値の違いではありません。

親が子供を、一人の人間として尊重し、信頼すればいいのです。

親は親としての考えを伝え、子供の考えをよく聴くことが何より大切です。

子育てには労力がかかります。これは親の覚悟が必要です。

親としてお金をたくさん稼いで、教育費をたくさん使うとか、家・服・食べ物・旅行で、いい暮らしをさせることで子供への愛情を示そうとするかもしれませんが、
そもそも、子供は物質的豊かさとは何かをまだ理解していません。自分で働いた経験がない子供はそれらの物質的豊かさを手に入れることの価値を感じにくいのです。

子供は大人と違い、物質的な豊かさなど重要ではなく、子供には親が充分に構ってくれる時間と、ふれあいと、承認が必要なのです。

その子の将来の収入や幸せは、子育てにかけた費用に比例するのか?

それなのに親は、我が子を少しでも優位に立てたいのか、早く成長させようと考えがちになってしまいます。

早く乳離れさせようとか、抱きすぎると抱き癖がついてしまうからと、抱かないようにするのです。

まるで、植物の種を蒔き、芽が出てきたところで、早く育てと引っ張るようなもの、痛んで腐ってしまうでしょう。

充分な愛情を受けられなかった赤ちゃんは、自分が愛される存在だと思えなくなります。

自尊心のない人間が、豊かになることは難しいし、豊かになっても幸福感を味わうことができないのです。

証拠になるユニークな実験があります。

アメリカの超エリート大学、ハーバード大学の実験結果です。

75年間の歳月を費やして、卒業生たちの成功を調査した実験があります。

やはり成功している卒業生とそうでない卒業生の平均年収には大きな差がありました。

年収にして890ドル以上、約1000万円といところでしょうか。

そして、その差を生んだ違いを調査した結果ははっきりとしたものだったそうです。

両者の違いは、幼少期に母親の愛情を充分に受けて育ったかどうかだったそうです。

子供を無条件に信頼し、愛してください。

愛するとは、自分との違いを受け入れ、認めることです。

そうすれば、子も親も豊かさを手に入れやすくなるようです。